メニュー




      OPTEST 未来学研究室へようこそ


          低成長がもたらす資本主義と民主主義の危機が迫るなか
          日本未来学会は今この世に夢の未来社会を見出した。



X、遂に到来した夢の未来社会
仕事の効率化によって浮いた時間はどこへ消えたか?
ミヒャエル・エンデの「モモ」をヒントに考え直してみました。

これまでの仕事は早々に片付き浮いた時間でさらに働いた。浮いた時間の労働はマルクスの言う
余剰労働です。余剰労働から得られる収入はベーシックインカム以外の収入だから貯蓄可能です。
この貯蓄総額が国民金融資産(1900兆円/2020年以下同)に相当します。
銀行等金融機関は預けられた国民金融資産で政府の債券国債を買いますが、
日銀が債務肩代わりして国債は日銀の金庫に積まれます(1125兆円地方債含)。
「モモ」に登場する時間貯蓄銀行の金庫に集められている時間の花にそっくりです。
金庫の中の時間の花は冷凍されているのかミソです。

国民の時間は国債に変わり、国債は日銀が肩代わりしたので、国民の手元には依然として
金融資産としてまるまる残っているのです。しかし日銀が国債の償還を政府に迫ったら
政府は国民から税を徴収して国債を償還しなければならないので、いわば現在の国民金融資産の
一部は国債の担保みたいに凍結されていて自由に使えないのかもしれません。

では国民金融資産は結局盗まれたかと言うとそうでもなく、国債で集めた国民金融資産は
社会福祉と景気対策(公共事業)として国民に還元されている。社会福祉費用は健保医療費や
年金として還元されているし、道路や公共施設も将来に渡って使える国民の社会的共通資本として
蓄積されるものであるが、効果の無い無駄な景気対策の部分は盗まれたと言えるかもしれません。
一方、国民金融資産のうち国債分以外(1900-1125=775兆円)は自由に使える
個人の金融資産であり預貯金、株式、保険金等、豊かな老後のための蓄えと言える。

結局のところ、浮いた時間を売って金に換え国民金融資産とした。その後に国債に変わり、
安心安全な生活を実現するために社会福祉と社会的共通資本に使われた。
その恩恵の典型が退職後の年金生活者であり、この人達は便利なインフラと
ベーシックインカムが確保された自由な時間を使って豊かな生活を現在送っている。
これこそが将に浮いた時間を取り戻した「夢の未来社会」の姿ではないでしょうか?

2020年8月31日
日本未来学会会員
オプテスト未来学研究室
室長 仁木尚治