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      OPTEST 未来学研究室へようこそ


          低成長がもたらす資本主義と民主主義の危機が迫るなか
          日本未来学会はいま暗黒のかなたに一筋の光明を見出した。


V、真の脱工業化社会

時間消費型成長産業と言うと、(仕事の)役に立たないヒマつぶしを助長 する産業のように聞こえますが、
何とこれが文化と言うものなのです。通常は経済成長で得た富は人口増加で費やされるものだが
(人口論―マルサス)、何かの理由(悪徳な理由)で人口増加が止まったとき経済成長で得た富が蓄積する、
そして蓄積した富を少数人口で利用して豊かな文化を謳歌する時代が訪れる―これを文化が花開くという。
経済成長は時間消費型成長つまり文化成長へ移行するのが歴史の必然なのです。

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どんな文明も発展パターンは左図のようになっており、成長期には人口が増えますが、
その文明が支えられる限界の人口容量に近くなると人口増加は止まりさらに減少局面に移るのです。
この人口減少局面こそ文明が成熟期に入ったサインなのです。このパターンは右図(古田隆彦氏による)
のように古代からの人口推移に何度もはっきりと現れています。
 人口増加後の停滞または減少期が文明が成熟し文化が花開いた豊かな時代なのです。
これは歴史の必然なのですが数百年に一度のかなり稀な出来事です。

日本の歴史をひも解くと過去3度文化が大きく花開いた時代があったことが判ります。
 ・狩猟採集型経済成長期後の縄文文化、
 ・稲作型経済成長期後の飛鳥天平文化、
 ・集約農耕型経済成長期後の元禄江戸文化、
 そしていよいよ、我々が溜め込んだ時間=富を使って、
 ・工業型経済成長期後の真の脱工業化社会として日本に平成文化が花開くことになります。
 数百年に一度しかない今の幸運な好機を大事に育てたいものです。
GDPは増えなくても一人当たりの富(富とは欲望を満たす全てのもの)が増すこのような豊かな時代が
今まさに訪れようとしているのです。現在はまだ成熟期に入ったばかりのとまどいはありますが、
やがて安定した爛熟期を迎えるとどれほど素晴らしい文化が世界に先駆けてここ日本で花開くかと
考えただけでもワクワクします。

 今我々はまだ工業型経済成長期の気分を払拭出来ていないので、
ろくに仕事もせずヒマつぶしして遊んでいるみたいなヤツラは宇宙人にしか見えないかもしれませんが、
やがて成熟した工業化社会の先に時間消費型の豊かな平成文化社会が花開いたたとき、
経済成長一辺倒でヒマつぶしも出来ない人達がかつていたことを知って彼らは一体何と言うでしょうか??
 彼らはこう言うでしょう、きっと、
 「石器時代、鉄器時代の次はデンキ時代だったっけ?昔の人は貧しくて生きるので精一杯だったんだね」と。

そして遂には真の脱工業化文化社会の先で人口も新たな限界容量に向けて増加し始めるでしょう。
その時期は? う〜ん 新しい文明原理が始動しだすのはおそらく今世紀後半ではないでしょうか。



日本未来学会会員
オプテスト未来学研究室
室長 仁木尚治